裏込め材(ここでは裏込砕石という)を自重に利用する工法は今までにありましたか?

 裏込砕石を自重に利用する工法は数十年前からあります。代表的なものが「井桁ブロック擁壁」です。これらは現在まで全国に数えられない程使用されています。この擁壁は特に湧水の多い場所や大きな土圧が作用する危険な高擁壁に使われるケースが多く、その信頼性、安全性は数ある擁壁の中でも高いランクと言えます。
 また同じく「ランドセル工法」も前面ブロック背面の裏込砕石を金網で囲い、自重とするもので井桁ブロック擁壁に近く、今まで多くの実績があります。

裏込砕石は重い! 自重として利用しない手は無い!

前面ブロックと背面ブロックを別々に制作して工場で組み合わせた「分割型」と、最初から工場で一体に作られた「一体型」が考えられますが、いずれでも採用可能ですか?また特許は取得していますか?

分割型、一体型のいずれでも対応できます。ただし、一体型は新しい型枠が必要となるため、当分は分割型が多くなります。特許は取得済みで、勿論、請求の範囲はどちらにも使用できる、独立した請求項多数の充実した内容となっています。また「防災ウォール」の商標登録も取得しています。

【参考】一体型タイプの製品例

【参考】
発明の名称:コンクリート積みブロック擁壁及びコンクリート積みブロック擁壁の構築方法 特許の出願日:2019 年 1 月 23 日
特許の番号:特許第6630006号 特許権者:(有)インパクト
特許の消滅する年:2039 年

商標登録:RANCEL 防災ウォール 登録第6318584号
商標権者:(有)インパクト

湧水が背面ブロックに入ってから、水の流れはどういった経路を辿って擁壁から前に排水されるのでしょうか。

 背面ブロック内に湧水が入ってきたら、段ごとに底板があるので水が溜まります。そして背面ブロックの底板から約 300mmの位置まで溜まりながら前面ブロックに貫通した排水パイプで擁壁前に排水されます。
 湧水が特に多い場合、排水パイプで充分排水が出来なくなったら、背面ブロックの控え壁に開けられた箱抜き部分から、横方向に水が出て下に流れます。この水はわずかとなりますが、従来通り下に流れて擁壁の前に排出されます。またこの部分の背面から入った水も同じく下に流れます。
 この排水構造から、擁壁の一段ごとにスムーズな排水が行われ、擁壁に過大な水圧が掛らない、安全な擁壁排水構造となります。

前面ブロックの一体化はどの様な方法で固定されますか?また、地震時の水平力における一体性はどうでしょうか。

 製造する工場において、太い防錆処理のアンカーボルト等で、機械的に工場で固定されます。さらに設置後は、隣接するブロック間に現場打コンクリートを充填し、強固な一体型構造とします。もちろん、前面ブロック内部には従来通り、コンクリートを内部に充填して完全一体化します。
 裏込砕石を充填した背面ブロックが組み合わせ、その背部に土圧が作用します。従って裏込砕石を充填した背面ブロックは、前面ブロックと土圧の間に挟まれた状態となり、前面ブロックと同じ挙動となります。
 また製品形状によっては、カップルガイドピンを利用して位置決めをします。

裏込砕石を本体の一部と考えた場合、地震時において裏込砕石が本体と同様に挙動するのでしょうか?

(Q1)で述べた通り、従来から使用されている井桁ブロック擁壁は、高擁壁で危険な場所に多く使用されています。それだけ多くの実績があるにもかかわらず、地震による倒壊がほとんど無い、大変安全な工法と言えます。
「防災ウォール工法」の裏込砕石は、従来の井桁ブロック擁壁に比べ、ブロック一個毎に、前後左右、および一段毎に上下の狭いコンクリート板枠に囲まれた状態となります。更に、裏込砕石は身動きできない状態に充填、転圧されますので地震による挙動は擁壁本体と一体と考えて何ら差し支えないと言えます。

道路土工指針に遵守した設計計算となっていますか?

設計計算は従来通り道路土工指針に沿った設計で何ら変わりません。そのため市販の擁壁計算ソフトがそのまま利用できます。

他の工法と併用して使用できますか?

基本的に擁壁構造であれば併用して使用できます。たとえばワイドウォール工法といった垂直擁壁と組み合わせることで、道路拡幅が経済的に構築できます。